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北海道議会議員としての活動をご紹介します。

第一回定例道議会報告

 

北海道議会 民主・道民連合議員会
 
第1回定例道議会は、2月25日(木)に開会し、2021年度一般会計予算案、「気候非常事態宣言に関する決議」などを可決、3月24日(水)に閉会した。代表質問には、沖田清志(苫小牧市)議員が立ち、知事の政治姿勢などについて質疑した。
 
冒頭、国の総合経済対策に基づく第3次補正を受けた2,027億9,739万円の2020年度一般会計補正予算の先議を行い、2月25日に中川浩利(岩見沢市)議員が、防災・減災、国土強靱化のための5ヶ年加速化対策、小規模農家への対応、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う観光関連事業者以外の事業者支援、中小・小規模企業の資金繰り支援、ワクチン接種体制の整備及び市町村支援、特定不妊治療助成事業、生活福祉資金の特例貸付制度などについて質した。
 
また、最終補正予算は、予算特別委員会で審議され、3月15日に武田浩光(札幌市西区)議員が財政運営、中小企業総合振興資金貸付金、新型コロナウイルス感染症対策地域医療基金積立金、庁舎等感染症対策経費、感染症対策に係るシステム改修、各種基金関連経費について質した。これにより、2020年度一般会計予算の最終総額は、3兆7,336億4,644万円となった。
 
一方、2021年度一般会計当初予算案は、新型コロナウイルス感染症対策に6,541億円を計上したことから、前年度当初比で15.4%増の3兆2,530億円で過去3番目の規模となった。借換債を除く事業費ベースでも前年度当初比で20.7%となっている。歳入における道税収入は6.3%の減。その内の地方消費税が2.9%の減となったことから、地方交付税は3.6%の増となった。道債は9.1%減の6,050億円を発行する。一般財源に占める借金の割合を示す実質公債費比率は2021年度で19.7%と推計されている。
 
代表質問の主な課題のうち、知事の政治姿勢については、道政運営の自己評価と残任期間の舵取りについて質したが、ポストコロナを見据え、「ピンチをチャンスに」の気概をもって新たな北海道づくりに挑戦していくと、至らなかったことや反省すべきことなど振り返りには触れず、また、今後に向けた具体的な手法や指示にも言及はなかった。昨年の第1回定例会でも指摘したロードマップについては、道民が希望に満たされるよう改編を求めた。
 
さらに「人権関連施策」を重点政策の柱として位置付けるよう指摘したが、道政運営上、基本となる施策との認識は示すものの、個性や人格を尊重し、支え合う地域社会の実現に取り組むとの従前の域を脱しない答弁に止まった。デジタル化の推進については、地域格差が生じないよう、人口減少対策や過疎対策の視点をもって取り組むべきと求めたが、「北海道Society5.0推進計画」に基づき、通信基盤の促進に努めると答弁。
 
新型コロナウイルス感染症に係る取り組みについては、基本方針として、中途半端な防止策や場当たり的な休業や時短要請の繰り返しではなく、まずはしっかりと感染拡大の防止に取り組む「ゼロコロナ社会」への転換を図るべきと追及したが、新北海道スタイルの促進、事業継続や生活の安心確保の充実に努め、感染症に強い社会の構築を目指すとの答弁に終始し、「ゼロコロナ社会」の実現に対する認識は示されなかった。
 
また、まん延防止等重点措置への対応について、警戒ステージの設定、解除基準などの整備、感染情報の公表のあり方の見直しを早急に実施するべきと質した。加えて、事業者への支援に関して、事業者の負担軽減に配慮するとともに、追加支援を更に検討すべきと質した。経済と雇用対策については、相次ぐ大型事業所の撤退、廃止に伴う地域への影響、厳しい若者の就労環境への実効性ある支援策の実施、インバウンド頼みではない持続的、安定的な観光施策の検討、推進について質した。
 
エネルギー政策では、とりわけ高レベル放射性廃棄物最終処分場選定問題や幌延深地層研究計画の期間延長における、将来に疑念を残す発言に関して、道民の不安を払拭するとともに、信頼を回復するため、改めて認識を質したが、これまでの答弁を繰り返すだけだった。
 
地方交通政策について、JR北海道路線問題では、国やJR北海道、各自治体等による関係者会議の継続並びに機運醸成及び道民の理解促進への具体的な取り組みを、経営状況が厳しいバス路線の維持・継続に向けた緊急的支援の必要性を、また、新千歳空港の機能強化に関しては、空港の鉄道アクセス抜本改良への工程等を明らかにするよう求めた。
 
第1次産業の振興について、農業政策では、国際貿易協定の影響、農業・農村振興計画の推進、高病原性鳥インフルエンザ対策を、林業政策では、森林整備の推進、道産木材の利用促進などについて質した。
 
アイヌ政策の推進に関しては、アイヌ民族、またその苦難の歴史や文化について、北海道から全国に発信する必要があるとの指摘について、幼児期からの理解促進に向けた教育の充実やウポポイをはじめアイヌ文化の魅力ある発信に取り組むとの答弁があった。
 
東京オリンピックに関する取り組みについては、コロナ禍における開催の可否や機運の醸成に向けた取り組みを質した。
 
また、北方領土返還の取り組みでは、ロシアの北方領土に関する近年の言動への受け止めと今後の政府への対応を質したところ、北方四島の一日も早い返還に向け、領土交渉が後退することがないよう国に対して強く求めるとの答弁があった。
 
教育課題においては、学校職員の働き方改革における実効ある取り組みの推進、GIGAスクール構想の格差是正、少人数学級の拡大、アイヌ教育の推進、児童生徒の自殺防止への対応について質した。
 
とりわけ働き方改革において、教職員の半数以上が労基法で定める月45時間を超えていることを指摘し、業務縮減の取り組みを質した。これに対して教育長は、部活動の指導時間の遵守や効果的な研修内容・方法の精選などを推進すると答弁した。
 
会派はこうした議論経過などから、2021年度一般会計予算案については、組み替えを求める動議を提出し反対した。
 
会派が今定例会に提出した令和3年度北海道一般会計予算案に対する組み替え動議は次のとおり。
 
令和3年度一般会計予算案は、知事任期折り返しとなった当初予算である。
道が進めてきた感染対策と社会経済対策の両立は、その結果として、感染抑制と感染拡大の波が何度となく繰り返され、道民生活や社会経済活動への制約は、長期にわたり深刻な影響を与えてきた。私たちは、感染防止対策と医療支援、そして生活者と事業者支援を集中的に展開し、感染拡大の波を最小限に抑え、その状態を継続させることで感染を可能な限り封じ込め、早期に通常に近い生活・社会経済を取り戻す道を選択すべきと考える。
 
令和3年度予算案は、新型コロナウイルス感染症対策予算が膨らみ、一般会計予算は過去3番目の予算規模となった。感染対策や経済支援は国の交付金頼みが目立ち、予算案における収支不足は370億円に上り、今後も300億円以上の収支不足が見込まれており、中長期的な財政健全化の道筋は見えてこない。
 
また新型コロナウイルス感染症対策に6541億円を計上したが、コロナ禍で苦しんでいる道民をどのように、どこに導こうとしているのかという視点にも欠けている。こうしたことから令和3年度予算は、新型コロナウイルス感染症によって被害や影響を被った道民生活と社会経済活動を、力強く再生へと導く予算に編成し直すことが不可欠だ。よって、以下の内容を中心に、議案第1号令和3年度北海道一般会計予算案を組替えの上、再提出すべきである。
 

組み替えの主要項目

1 知事の政治姿勢について
新型コロナウイルス感染症とそれによる影響、そして、これによって社会や経済の脆弱性が浮き彫りになった。独自の緊急事態宣言、札幌市との共同宣言、政府の緊急事態宣言では、大きな痛みを伴いながらも今こうして何とか踏みとどまっている陰には、倒産や廃業の不安を抱えながら時短・休業に協力をいただいた事業者、仕事を失い途方に暮れた方、突然の休校で混乱を押しつけられた保護者や児童生徒、教育現場の方など、多くの道民の大変な御苦労があったことを肝に銘じる必要がある。同じような御苦労を、さらにお願いすることがあってはならない。それが道民の共通の願いであるはずだ。
 
にもかかわらず知事は、「ピンチをチャンスに変える」とキャッチフレーズ的な言葉でごまかすが、感染症がピンチを招いたのではなく、感染症に対する施策や対策の結果がピンチを招いたのである。それは独自の緊急事態宣言の際、如実に表れたと言っても過言ではない。その際「政治判断の結果責任は私が負う」と明言したが、その責任をどのように果たしてきたのか、明らかにしていない。
 
度重なる休業や時短要請によって、廃業や倒産、解雇の危機に瀕している飲食業界や関連業界。子どもを育てるためにパートで家計を支えていた女性が、休業支援金を受け取れず、生活の見通しが立たなくなる。やむなく非正規雇用となり、今回の感染症によって差別的な待遇を受けている方。まだまだ、多くの方が苦しみ厳しい状況の中であえいでいる。そうした方に光を当て、希望を持ってもらうことが知事の責務ではないか。
 
感染症対策関連以外では、子育て支援や持続可能な社会の実現など、先行投資のための予算は増額する一方で、必要性に乏しい事業や効率性の低い予算については大胆に見直し、めり張りの利いた予算に組替えすべきである。
 
2 行財政運営について
本予算案では、財政調整基金は52億円しか確保できていない。この規模で、緊急的な事態に対応できるのか懸念がある。とりわけ、感染が急拡大した際に、迅速に補正予算等の編成で対応するためにも、事業の精査を間断なく進め積立て財源を確保すべきである。
 
道債残高が令和3年度末に初めて6兆円を超す見込みとなっており、一方で経済停滞の長期化で税収は大きく減るなど、依然として財政運営は硬直化し、綱渡り状態が続いている。
 
また実質公債費比率は令和8年度には24.3%に達する見通しで、財政破綻が危ぶまれる早期健全化基準の25%が目前に迫る。道民生活を守るためには、財政再建の取組は急務であることから、中長期的な財政健全化の道筋を早急に示すべきである。
 
3 新型コロナウイルス感染症対策について
コロナ禍において最優先すべきは、感染者のこれ以上の拡大防止と、感染症拡大により窮地に立たされた道民や事業者の救済だ。しかし、こうした感染防止や経済支援を見る限り、道民に安心感を与える対策とは言い難い。

知事は、昨年2月、独自の緊急事態宣言を発出し、その際、「感染拡大防止のモデルをつくる」と公言してはばからなかったが、結果は、第2波、第3波が北海道を襲い、その間、抑制と解除を繰り返すだけの対策でしかなく、抑制とセットであるべき事業者支援は実態とはかけ離れたものだ。

感染症対策に計上された施策の多くは、これまで浮き彫りとなった問題点や課題を補う「後追い的・補完的な施策」でしかない。知事が言う「感染症に強い地域社会の構築」にはほど遠く、こうした施策を一体的に講じることによる実効性も見えず、北海道の将来を展望した感染症対策予算ともなっていないことから「医療現場への支援」「感染の封じ込め」「暮らしと事業を守る」ことに視点を集中した予算に組替えるべきである。
 
4 カーボンニュートラルへの取組について
昨年の臨時国会において菅総理は、2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを宣言した。

道は、これに先駆けて2050年温室効果ガス排出量実質ゼロを目指す考えを示してはいるが、まずは、どのように2050年にゼロカーボン北海道を実現するのか、十分に実現可能な再生可能エネルギーの導入目標、省エネルギー目標の上積みなどについて、道民や事業者に示す必要がある。

また、2050年ゼロカーボン北海道を掲げた以上、電力については原発に頼ることなく、2050年再生可能エネルギー100%を掲げ、熱や動力についても、再生可能エネルギーの電力から生産される水素等を用いるなど、具体的な施策と工程表を示すべきである。

北海道省エネルギー・新エネルギー促進条例は、原子力を過渡的なエネルギーと位置づけている。道は条例の趣旨を踏まえ、原子力エネルギーに依存しない社会を一日も早く実現し、地域の資源を生かした再生可能エネルギーの活用と省エネルギーによって地域を豊かにしつつ、速やかに脱炭素社会を実現できるよう、早急に中長期目標とそれを実現するための具体策の取りまとめと必要な予算措置を講じるべきである。
 
5 人権政策について
令和3年度の道政執行方針におけるパートナーシップ制度の導入をはじめとする人権政策については、知事の理念や考え方等が全く示されておらず、ポストコロナを見据えた、本道の未来を切り開くための起点となるはずの重要政策が、極めて軽く扱われていることに大きな憤りを覚える。

先の同性婚訴訟では、同性同士の結婚を認めない現行制度は、法の下の平等を定めた憲法14条に違反するとの判断を札幌地裁が初めて示したが、まさに時代の要請に応えた判断であり、知事は重く受け止めるべきである。

一方、オリンピック・パラリンピック組織委員会の前会長による女性への差別的発言、情報番組でのアイヌ民族を傷つける不適切な表現など、北海道の知事として決して看過できないことが相次いでいることを鑑みれば、今からでも遅くはなく、人権政策を、道として最優先に取り組む政策として引き上げることを内外に明らかにし、差別解消、多様性を認め合う社会の構築に向けた予算措置を講ずるべきである。
 

採択された決議・意見書

(◎は政審発議、○は委員会発議)

○気候非常事態宣言に関する決議
◎国民健康保険の子どもに係る均等割保険料(税)軽減措置の対象範囲拡大の検討を
求める意見書
○悪質商法による消費者被害をなくすための預託法の改正並びに特定商取引法及び同
法方針の改正等を求める意見書