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北海道議会議員としての活動をご紹介します。

第四回定例道議会報告

 

北海道議会 民主・道民連合議員会
 
第4回定例道議会は11月25日に開会、令和2年度一般会計補正予算、「私立専修学校等における専門的職業人材の育成機能の強化等を求める意見書」などを可決し12月11日に閉会した。代表格質問には小岩均議員(北広島市)が立ち、知事の政治姿勢、新型コロナウイルス感染症対策、行財政運営、医療・福祉政策、経済・雇用対策、高レベル放射性廃棄物最終処分場選定問題、交通政策、一次産業振興などについて質疑した。一般質問には、鈴木一磨議員(北見市)、武田浩光議員(札幌市西区)の2議員が立ち、当面する道政課題、地域課題について道の取り組みを質した。
 

1 主な審議経過について

道は開会日冒頭、新型コロナウイルス感染症に関する緊急対策の第6弾を中心とした総額835億6,100万円(内、新型コロナウイルス感染症に係る補正予算額は801億円)の令和2年度一般会計補正予算を提出した。主な対策事業として、札幌市が実施する「すすきの」地区の飲食店等を対象とした協力支援金支給事業に対する補助として4億4千万円。軽症者等用宿泊施設の借り上げ費用には36億円を追加計上。感染者患者用の入院病床を確保した医療機関への補助事業として441億6,900万円を追加。医療機関や介護・障がい福祉事業所等に勤務する職員への慰労金については262億7,500万円を上乗せ。教育旅行支援事業費と交通事業者利用促進支援事業費には各4億円を追加した。また、札幌市内の飲食店等を対象として札幌市が実施する協力支援金支給事業に対する補助として12億4,880万円(6億2,400万円×2回)の一般会計補正予算が追加提案された。最終補正に対し池端英昭議員(石狩地域)が、「感染防止対策協力支援金支給事業費補助金」の事業主体と責任の所在、支援対象の拡大見直しなどについて質した。これにより新型コロナウイルス感染症対策の第1弾から第6弾の予算累計額8,835億円に追加補正を加えた累計総額は8,848億円、対策規模累計は1兆8,936億円となった。定例会冒頭には、本年度の道職員の期末・勤勉手当の年間支給月数を0.05ヶ月分引き下げる道職員給与条例一部改正案など4件を原案通り可決した。
 
代表格質問では、道職員の逮捕が続いたことに対する知事の管理監督責任を質した。知事からは、道政に対する信頼を著しく損ねたということで謝罪があり、動機や背景の把握・分析における専門家からの助言など、これまでの取り組みを充実強化するとの考えが示されたが、我が会派は、信頼回復に向けては明確な問題意識を持つ必要があると強く指摘した。
 
コロナ禍における知事のリーダーシップのあり方について知事は、感染拡大の早期抑え込みに向け、先頭に立って取り組むとのことだが、感染拡大を本気で抑え込み、この難局を乗り切ろうとする本気度が見えないと強く指摘した。知事公約については、コロナ禍による公約実現の停滞は直接、道民生活に跳ね返るものであり、遅延する政策を今後どのように取り返していくのかの方針が示されていないと質した。
 
パートナーシップ制度については、知事は制度を導入するメリットや意義を全く理解しようとしておらず、個性や人権の尊重、共生社会の実現に向けて取り組むといった抽象的な言葉を多用し、終始、本質論議を避けた。
 
北海道総合計画の見直しについては、現下の状況を踏まえ、どのような問題意識を持っているのかと質したが、「輝き続ける北海道」を目指すなど抽象的で具体性に欠ける答弁に終始した。
 
財政運営については、歳出削減一辺倒では前知事と同じだ。将来の財源を生み出す施策に財源を振り向け、これまでとは違う歳入確保を講ずるべきと質した。
 
警戒ステージの引き上げについては、第3波は知事のステージ引き上げの判断の遅れによるものだ。人災ではないかとの声もあると質した。これに対して知事は、感染拡大が想定を超えて急速に進む中、限られた時間の中で、最善を尽くして対応してきたと述べ、自らの判断遅れの責任を「想定外」に転嫁する答弁だった。
 
感染者情報の公表のあり方については、住民は自分の地域の感染状況が分からないため不安や疑問を抱いている。早急に公表基準を見直すべきと質した。知事からは、基準は全国統一のものであるべきとの答弁があり、見直す考えがない認識が示された。道が9月に取りまとめた中間検証については、第3波の対策に活かされたのか疑問だ。様々な対応や対策は、本当に実効性があり適時・適切なものなのかと質した。これに対して知事は、中間検証の「対応方向」に沿って感染拡大の防止と社会経済活動の両立に向けて必要な対策を進めているとの考えを示したが、現状は、札幌市民に対しての外出自粛要請、飲食店等に対する営業時間の短縮や休業の協力要請等、対策は後手に回っている。
 
観光支援事業については、いわゆるGoToトラベル事業が感染拡大の大きなきっかけになったと、医療団体は9月の三連休前に重大な懸念を示していた。知事は道民に対しては「感染リスクが回避できるか迷う場合は、不要不急の外出や札幌との往来を避けてほしい」と慎重な行動を求めたが、こうした曖昧な判断が混乱に一層の拍車をかけた。また札幌市をGoToトラベル事業の対象外とするにあたっては、知事は国の判断を待ち、国は知事の判断に委ねているなど、双方が責任を押しつけ合う形となった。
 
高レベル放射性廃棄物最終処分場選定問題については、知事に対して文献調査に反対する意思を国や機構に明確に示すべきと質したが、「現時点では」概要調査に移行しようとする場合は反対の意見を述べるとの考えを示し、従来の答弁を繰り返した。またNUMOの理事長は新聞社の取材に「道の条例は解釈が変わる可能性もある」と答えており、条例の趣旨を蔑ろにする発言を行った。幌延深地層研究計画については、延長した9年間で研究は終了し、その後は埋め戻すことを確認したところ、知事は、研究終了は「必要な成果」を得て9年間で終了するものと考えているという従来の答弁を繰り返したが、研究終了後は三者協定に基づき地下施設を埋め戻すと明言した。また日本原子力研究機構が実施を検討している掘削深度500メートルの研究については、更なる研究期間の延長につながる懸念があると質したが、知事は、機構の申し出を踏まえ内容や理由を確認会議で確認すると述べ、懸念に対する明言は避けた。
 
JR北海道路線維持問題については、新たな「国への提言」の必要性、具体的・効果的な道民運動の展開について質したが、オール北海道で取り組みを展開していくという従来の答弁を繰り返した。農業基盤整備の農家負担を軽減する、いわゆるパワーアップ事業については、継続の判断時期を質したが、知事からはパワーアップ事業を継続する考えは示されたものの、具体的な時期についての言及はなかった。
 
学校現場における新型コロナウイルス感染症対策については、どのように児童生徒の健康と学びの機会を確保するのかと質し、教育長からは学校の実情を把握しながら、感染症対策の指導助言、オンラインを活用した家庭学習の支援や公共施設を学習拠点とするための実証を進めるとの考えが示された。学校における働き方改革については、業務量の削減にあたっては、教員一人一人が意識改革に主体的に取り組むべきとの考えが教育長から示されたが、そもそも教職員の時間外勤務の原因は勤務時間内に処理することができない業務量にあり、教育長の答弁は責任転嫁も甚だしいと指摘した。
 

2 採択された決議・意見書

(◎は政審・会派発議、○は委員会発議)

◎私立専修学校等における専門的職業人材の育成機能の強化等を求める意見書
◎別居・離婚後の親子の面会交流についての法整備を求める意見書
◎台湾の世界保健機関(WH0)へのオブザーバー参加を求める意見書
◎住まいと暮らしの安心を確保する居住支援の強化を求める意見書
○新たな過疎対策法の制定に関する意見書
○犯罪被害者支援の充実を求める意見書
○特別支援学校の設置基準策定等を求める意見書
○不妊治療への保険適用の拡大を求める意見書
 

3 一般質問者の質問項目

鈴木 一磨 議員(北見市)
1 地方財政措置の拡充について  
2 地域交通の維持存続について  
3 建築物解体等に伴う廃棄物処理について  
4 地域医療の確保について  
5 介護サービス政策について  
6 農業振興について  
7 学校教育の体制整備について
 
武田 浩光 議員(札幌市西区)  
1 新型コロナウイルス感染症対策について  
2 高レベル放射性廃棄物について  
3 福島原発汚染水について  
4 地域医療連携推進法人について  
5 河川工事について
 

4 当面する課題と対応 

(1)新型コロナウイルス感染症対策について
【警戒ステージの引き上げに対する知事の認識と対応について】
我が会派は代表格質問で「感染拡大の引き金は10月22日だった。つまり、警戒ステージ2へ移行したのは10月28日であり、しかも、その対策期間を11月10日までとしておきながら、11月7日には警戒ステージ3へと引き上げており、まさに警戒ステージ2への引き上げの遅れを如実に表している。一般的に言われている潜伏期間を1日間から14日間とすれば、10月22日の感染者40名の原因は少なくとも10月9日以降の2週間にあったはずで、10月22日以降の感染者増加の状況を考えれば、警戒ステージ2への引き上げは、もっと早いタイミングで出すべきだった。中間検証の『感染拡大の兆候の早期発見』という指摘は全く活かされていない」と厳しく指摘した。また、札幌市を「北海道の警戒ステージ4」に引き上げ、感染リスクを回避できない場合は、札幌市との往来自粛や不要不急の外出自粛としたが、道民には「札幌に来ないでください」、札幌市民には「札幌から出ないでください」と言いながら、一方ではGoToキャンペーン事業の延長を国に要請するなど、知事の対応には整合性がとれておらず、道民や現場に混乱を招いた。札幌市長は記者会見で、「効果を見る余裕もなく、次の手を打たなければならないほど感染拡大のスピードが想像以上に速い」と述べており、余裕がない現状に苦慮していることを吐露している。道は10月下旬以降、対策の効果を検証する前に、次々と新たな対策を打ち出さざるを得ない状態となっているが、未だ効果らしい効果は表れていない。
 
【国の観光支援事業「GoToトラベル」への対応について】
まさに感染爆発を食い止められるかの瀬戸際にある。11月21日には道内の新規感染者数が過去最多となる404人を記録し、札幌市では11月19日に新規感染者数196人となり過去最多を更新した。また12月1日には一日あたりの死亡が過去最多の14人となった。厚生労働省のまとめによると11月22日時点で、人口10万人あたりの直近一週間の新規感染者数は31.79人となり、感染が急増する東京都や大阪府を大きく上回り全国最多となっていた。11月の三連休を前に、日本医師会や北海道医師会の会長は「GoToトラベル事業が感染拡大の大きなきっかけとなっていることは間違いない」と述べ、現下の状況での事業の危うさを訴えていたが、当時、知事は「感染リスクを徹底した上で旅行を楽しんでもらいたい」と発言していた。三連休前には新規感染者数が最多を更新していたにも関わらず、知事の認識は極めて危機感に欠けるものだった。政府は11月24日、「GoToトラベル」について、新型コロナウイルス感染拡大が深刻な地域を一定期間、割引の除外対象にすると正式発表した。しかし多くの人が移動した三連休後のこうした措置は、感染抑止にどれだけの効果があったのか疑問で、あまりにも遅きに失した感は否めない。札幌市を対象外とするにあたって知事は、国が判断すべきものと述べる一方で、国は知事の判断に委ねており、責任を押し付け合っていた。経済活動と感染防止の両立は大事だが、状況の悪化が続けば経済活動の基盤そのものが崩れかねない。
 
【感染者情報の公表のあり方について】
我が会派代表格質問で、保健所のない都市は振興局で一括りにされた人数で公表されるため、住民からは、自分の地域の状況が分からないことから不安や疑問の声が出ている。早急に公表基準を見直すべきと質した。道が行った市町村を対象としたアンケート調査では、道の新規感染者の公表方法について25%の自治体が妥当ではないと回答している。しかし道は、全国と比べても感染者の情報公開に消極的だ。自治体からは「非公表な項目が多く、感染拡大防止の対応方法が検討できない」との批判があり、「自治体名まで公表し、感染予防を講じたほうが良い」との指摘がある。中間検証を行った有識者会議からも「個人情報保護の観点は重要だが、個人情報と共通情報の仕分けが不十分」と指摘されている。
 
【集中対策期間について】
札幌市では、新型コロナウイルス感染症の拡大防止対策を短期的かつ集中的に展開するため、営業時間の短縮について、11月7日から27日までを集中対策期間と位置づけたが、感染拡大が続いている状況を鑑み、対策期間を12月11日まで延長した。しかし依然として多くの感染が続いていることから、休業や時短要請を25日まで延長することとしたが、最初の対策期間から3度目の期間終了まで1ヶ月半余り、10月28日に警戒ステージを2に引き上げてから2ヶ月近くが経っているにも関わらず、依然として感染は高止まりし効果は表れていない。
 
【民間医療機関からの自衛隊派遣要請問題について】
新型コロナウイルスの急速な感染拡大が続く旭川市で、大規模なクラスターへの対応に追われる慶友会吉田病院が11月25日、旭川市長と北海道知事に対して自衛隊派遣の要請を行った。自衛隊の派遣を巡って、市と道とのちぐはぐな対応が重なり混乱が生じ、派遣要請から2週間が経ってようやく自衛隊の派遣が決定したが、逼迫する医療現場の実態に追いついていない現状が浮き彫りとなった。この間、市への対応では、道に設置されている指揮室と指揮室に組織化されていない総務部(=危機対策局)との間で情報共有や連携が不十分だったことも、自衛隊派遣の判断に2週間の時間を要した原因の一つとなった。我が会派は、こうした事態を繰り返さないために指揮室の再編と、今回の教訓を自治体や関係機関で共有することが重要との観点から、第三者による検証を求めた。旭川市は道北の医療拠点としての役割があり、道にはそれを支える責務があるはずだが、市の医療体制の逼迫状況を直視した時、道の一連の判断と対応には疑問が残る。
 
(2)高レベル放射性廃棄物最終処分場選定問題について
経済産業大臣は11月17日、寿都町と神恵内村で実施するとしたNUMO(原子力発電環境整備機構)の事業計画変更を認可し、これを受けNUMOは両町村で文献調査を開始した。財政難に直面する町村に対し国は、巨額の交付金を提示して同意を取り付けたが、こうした手法に知事は、「新型コロナウイルスで本当に厳しい状況にある。交付金を得たい。その気持ちはよく分かる」とした上で「ほおを札束ではたくようなやりかたで手を挙げる自治体を求めていくというやり方には疑問を持つ人も多い」と国の姿勢を批判した。神恵内村では11月17日、PTA連合会がNUMO担当者を招いて小中学生向けの勉強会を開催し、子どもたちからは「説明不足」との厳しい指摘が相次いだが、住民の反対論を置き去りにして調査は開始された。また隣接する自治体では、核のごみの持ち込みを拒否する条例案や意見書案の提出に向けた動きが明らかになっている。我が会派は知事に対し、先の3定に続き、文献調査そのものに反対する意思を国やNUMOに明確にすべきと質したが、概要調査に移行する場合は「現時点では」反対の意見を述べるという答弁に留まった。なお我が会派からは「現時点」という、将来に含みを持たせた曖昧な表現には納得できないと、削除を求めたが知事側は応じなかった。NUMO理事長は新聞社の取材に、知事が概要調査には反対する考えを示していることに対し「反対されれば『その日からさよなら』だろう」と答えており、道民が真剣に議論し、地域で悩んでいる重要な課題を、不遜とも思える言葉で言い表している。核のごみを受け入れ難いとする条例に対しては「条例は解釈が変わる可能性もある」との認識を示しており、条例制定に向けた歴史的意義と趣旨を蔑ろにする発言を行っていたことから、我が会派は知事に、理事長に対して一連の発言の撤回をするよう求めた。道は今後、国やNUMOから定期的に情報収集し、ホームページで情報発信することで、道民の不安や疑念に応えることとしている。いずれにしても道は主体性を持って、道民に対して正確な情報を分かりやすく提供していく責務がある。